こんばんわ。ITクラブ講師の光井です。
シリーズで第四次産業革命について、簡単に解説させていただく、第二弾です。前回化学者目線で書くといったのに、化学の話が出なかったと、同じ九工大化学系材料技術者の後輩からツッコミを受け、改めて、化学について考察します。
化学、つまりChemicalと言われる分野では、液体・流体を扱います。自動車産業やハイテク機器とは違い、非常に制御が難しい分野で、「圧力、温度、送液のタイミングなどを、1℃、1Paだけ〇〇時間変更する」といった繊細な制御にて高度な構造をもつ製品ができます。
この分野は、日本企業が世界をリードしていることは、意外と皆さんご存知ではないでしょうか??
さて、私の普段の仕事の現場では、どんな影響があるのでしょうか?化学品の構造、性能などを品質保証するためには、生産工程及び出荷での検査があります。これは非常に重要なことであります。
日本国内にも島津製作所や日立ハイテクサイエンス、日本電子、小さくてもフロンティアラボのような技術に立脚した、世界で戦う国際企業が多数あります。実はここ10年くらい、このアーキテクチャが大きく変わりました。
昨今、製薬企業のデータ改ざん、不正問題が多発しました。そこで、導入されたのが Data Integrity という概念です。いつ、だれが、なにを、どのように、した。これを電子的に記録し、厚生労働省や所轄薬務課が監査するわけです。過去、紙の検査記録が主流でしたが、現在は基本的に禁止となっています。
なぜなら、そのデータがいつ印刷され、どのように取り扱われたのか?を証明できないのです。印刷物に日付時刻が印字されてるのでは?と思われるかと思いますか、その時刻が正しいとどうやって証明するのですか?
これが現実です。この規制に対応するには、アメリカのメーカーのソフトウェアを購入するのが一番楽です。固有名称は割愛しますが、米国FDAを退官した官僚とメガファーマが手を組んで規制(ルールメイキング)したからです。
日本は?というと、もちろん、この規制に準ずることになりました(当たり前のように)。なので、昨今不正が多いのは、規制によってあぶり出されたことはプラスの側面です。マイナスの側面としては、現場レベルとしては、非常に手間のかかる監査を日々やらないと行けなく、製薬メーカーの生産現場は大変だとお察しします。
日本の製薬メーカーの品質管理や試験計画が合理的だったのか、私には推察の領域でしかのべられませんが、欧米からのGxP規制は確実に、日本国内でのルールを一瞬でチェンジしました。この変更により、アメリカのソフトウェア企業(HPLCメインであった)は、日本で莫大な利益とシェアを得ました。
昨今では更に、データフォーマットの統一化まで進んでます。
もちろん、その組織に日本企業は入っておりません。
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