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4月, 2024の投稿を表示しています

日本のITは進んでいるのか?

 私の年代は、ITが成長するのを身近に見てきた世代です。 小学生のころには大人が ワープロ を使っており、それがパソコンに変わっていきました。 中学生になると ポケベル が PHS に移行していき、高校生の時には携帯電話(ガラケー)になり、大人になってスマホに変わりました。 インターネットも、高校生の時は電話回線を使った ISDN というものでした。 ウェブサイトが表示されるのにすごく時間がかかる程度しかスピードがなく、さらに使い放題ではなかったのでものすごく高額な請求がくる時がありましたが、大学生の時にADSLが普及し使い放題になりました。 今は光回線に変わり、映画も簡単に見ることができます。 以前の技術を知ってしまったがゆえに、我々から上の世代には弊害もあります。 「自分は今のままで十分」と考えてしまい、新しい技術や道具の導入が億劫になるのです。 これは大きな問題で、例えば企業の社長さんたちにも同じような考えになってしまう人がいます。 新しい事業や設備にお金をかけないといけないのに、企業のトップが「古いままで十分じゃない?」と考えてしまうと、話が進まなくなってしまいます。 もちろんすべての経営者がそうだというわけではありませんが。 一方で、東南アジアの国々を見てるとちょっと違います。 私は仕事で東南アジアに行くことが多いのですが、ここ10年ほどでびっくりするくらい変わっています。 その一つに東南アジアの経営者たちは「古いままで十分」という考え方が少ないからではないかと考えます。 日本と違い、東南アジアの国々で一般家庭に先に書いたような、ワープロ、ポケベル、ISDNなどが普及した時期はほぼありません。 国内の インフラ が整っていなかったので、近年いきなりスマホやタブレットが普及し始めました。 古い技術が普及していたタイミングがないので、「古いままで十分」という考え方がまだまだないのです。 というか古いものがあまり存在しないという言い方が正しいでしょう。 しかも、スマホやPCの技術は一般家庭レベルで必要な分としては頭打ちしています。 そうなると、ここ数年で取り入れたものは新しいものばかりなのです。 windows10 のサポート期限が2025年10月になってます。 日本ではwindows10以前のバージョンが入っているPCが60%を超えているそうです。 そ...

【シリーズ】第四次産業革命 〜 化学者目線 〜

こんばんわ。ITクラブ講師の光井です。 シリーズで第四次産業革命について、簡単に解説させていただく、第二弾です。前回化学者目線で書くといったのに、化学の話が出なかったと、同じ九工大化学系材料技術者の後輩からツッコミを受け、改めて、化学について考察します。 出展: 株式会社島津製作所 高速液体クロマトグラフ LC-2060D 化学、つまりChemicalと言われる分野では、液体・流体を扱います。自動車産業やハイテク機器とは違い、非常に制御が難しい分野で、「圧力、温度、送液のタイミングなどを、1℃、1Paだけ〇〇時間変更する」といった繊細な制御にて高度な構造をもつ製品ができます。 この分野は、日本企業が世界をリードしている ことは、意外と皆さんご存知ではないでしょうか?? 出展:株式会社RESONAC 記者会見より さて、私の普段の仕事の現場では、どんな影響があるのでしょうか?化学品の構造、性能などを品質保証するためには、生産工程及び出荷での検査があります。これは非常に重要なことであります。 日本国内にも 島津製作所 や 日立ハイテクサイエンス 、 日本電子 、小さくても フロンティアラボ のような技術に立脚した、世界で戦う国際企業が多数あります。実はここ10年くらい、このアーキテクチャが大きく変わりました。 昨今、製薬企業のデータ改ざん、不正問題が多発しました。そこで、導入されたのが Data Integrity という概念です。いつ、だれが、なにを、どのように、した。これを電子的に記録し、厚生労働省や所轄薬務課が監査するわけです。過去、紙の検査記録が主流でしたが、現在は基本的に禁止となっています。 なぜなら、そのデータがいつ印刷され、どのように取り扱われたのか?を証明できないのです。印刷物に日付時刻が印字されてるのでは?と思われるかと思いますか、その時刻が正しいとどうやって証明するのですか? これが現実です。この規制に対応するには、アメリカのメーカーのソフトウェアを購入するのが一番楽です。固有名称は割愛しますが、米国FDAを退官した官僚とメガファーマが手を組んで規制(ルールメイキング)したからです。 日本は?というと、もちろん、この規制に準ずることになりました(当たり前のように)。なので、昨今不正が多いのは、規制によってあぶり出されたことはプラスの側面です。マイナス...

道具としてのIT

こんばんわ。ITクラブ講師の光井です。 4月になり新年度となりました。ここでは、改めて「北九州ITクラブ」の趣旨について、簡単に解説させていただきます。 ITツールは日々の生活や仕事、遊びの「道具」として活用 ITやプログラミングと言えば、第一印象としては「難しい」「専門的」といった事が思い浮かびます。もちろん、GAFAのように高度な技術で創造されるアプリケーションなど、難しい専門的なことが多いです。 しかし、普段の生活を振り返ってみると、ITと言われるコトやモノは、ありとあらゆる場面で当たり前のように使ってます。スマホは言うまでもなく、現在ではAI家電、役所での手続きなど、ITに触れないことが無いと言っても過言ではありません。 みなさんが普段触れているIoTやITサービスの機能をフルで活用されてますか?実際はほとんどされてないと思います。 当クラブで主に使ってるGoogleのアプリケーション、Googleのアカウントを持ってない人はほとんどいないと言ってもいい状況です。iPhoneユーザーでもGoogleアカウントを持っている人が多いです。 「いや、持ってないよ。」と思われるかもしれませんが、Gmailを使用している時点で無料のGoogleアカウントを持っています。 無料で使用できるGoogleアプリケーション、実はとても幅広く、高度なシステムを開発しなければ、SOHOレベルのビジネスでは、Googleアプリケーションで解決できることは多々あります。 ビジネスに限らず、 「身近なITツールで、日々の生活、仕事、遊びに色どりや便利さを与える。」ことが、北九州ITクラブのテーマ でもあります。 なので、皆さん、ぜひ、 気軽にITクラブでいろんなことをチャレンジしてみてください 。 Google app sheet を使ってノーコードアプリを作成した例 自作アプリケーションも無料でできます。

【シリーズ】第四次産業革命 〜Industrie 4.0 ってなんだろう〜

こんにちは。ITクラブ講師の光井です。 今回から不定期ながら、シリーズ編を開始します。ちょっと専門的な話ですが、できるだけ噛み砕いて解説します。 出展:ドイツ  Plattform Industrie 4.0 さて、皆さま、第四次産業革命ってイメージ湧きますか?実はすごく身近な話です。産業革命については、 内閣府ホームページ に説明があります。2000年代に入り、世の中が急速に変化していることが現実に起きているのですが、皆さまの普段の生活からでは、割と当たり前のようになって気づかないことが多いと思います。 各論になると、私よりもっと詳しい方がたくさんいらっしゃいます。しかし、普段、化学技術者である私も、一見、無関係と思われますが、実はめちゃめちゃ影響をうけているのが現実です。 北九州市では初期の頃からの取り組みや情報共有会が開催されており、特に、 早稲田大学情報生産システム研究センター で、活発な議論が取り交わされておりました。 この分野で第一人者である、 野村総合研究所の藤野先生 (早稲田大学北九州キャンパスの特任教授)が多くの見解を提示されております。藤野先生の見解はとても参考になります。 産業革命は、世界的な潮流です。一見、国際協調で決められているようにイメージされますが、現実は国家間の標準化競争です。上記をよく見てください。 英語ではなく、ドイツ語のIndustrie と表記 されております。 この間には、アメリカ「Industrial internet」、中国「中国制造2025(製造ではなく制覇と表記されているところがポイント)」、日本「Connected Industiries」など標準化競争が繰り広げられていました。 Connected Industiriesは日本が主導した のですが、国民の皆さま、ほとんど知らずでした。国内だけでも、他に「Industrial value chain」など、複数の団体が設立されているのですが、結果として、他国の規格に準ずることになりました。 ここまで、ちょっと難しいのですが、身近な例で紹介すると、一昔前、Blueray(Sony)とHD DVD(東芝)を思い出してください。本件は 日本企業同士の競争 で、米国がSonyに着いたため、Bluerayが勝者となり、世界標準となりました。もう、HD DVDは殆どの方の記憶か...